森から生まれる「紙」が、私たちの未来を豊かにする。
1.適切に「使う」ことが、森を育て、地球を守る
紙の使用は森林減少の原因ではありません
世界における森林減少の主な原因は、農地開発や薪炭生産などであり、「紙の生産・消費」は含まれていません。日本の紙の原料の約3分の2は古紙が占めており、木材についても「伐って植える」を繰り返す植林地からの木材や、建築用製材の残材など、持続可能な原料を利用しています。

木は「使う」ことで森が循環し、温暖化を抑制します
木は光合成により二酸化炭素(CO2)を吸収しますが、高齢になるとその吸収量は減少してしまいます。温暖化を抑制するためには、適切なタイミングで木を伐って利用し、新たに植林を行って成長の旺盛な若い森林を造成することで、森を活性化・循環させることが重要です。また、紙の繊維の中には吸収された炭素が閉じ込められて固定されるため、空気中のCO2増加を防ぐ役割もあります。

紙パルプ産業は、植林で世界の森を増やしています
紙パルプ産業は、CO2吸収源となる植林地を拡大させています。1990年から2024年までの国内外の植林地面積の増加量は26.3万haにのぼり、これはサッカーコートおよそ37万面分に相当します。

2.化石燃料に頼らない、省エネ・脱炭素への挑戦
紙パルプ産業だけが使える強力なバイオマス燃料「黒液」
紙をつくる工程で、化石燃料を大量に使っているイメージがあるかもしれません。しかし、木材チップから紙の原料(パルプ)を取り出す際に副産物として得られる「黒液(こくえき)」という特有のバイオマス燃料が存在します。紙パルプ産業のみが活用できるこの黒液は、紙の製造に必要なエネルギーの3分の1以上を賄っており、化石燃料の使用削減に大きく貢献しています。

エネルギーロスを抑える「省エネの優等生」
紙の乾燥には多くの蒸気を必要としますが、発生した蒸気を発電と熱供給の両方に活用するコージェネレーション(熱電供給)が広く導入されています。日本全体のエネルギーロス率が57.2%であるのに対し、紙パルプ産業は35.7%にとどまっており、非常に効率的にエネルギーを利用しています。

2050年、CO2排出実質ゼロを目指して
紙パルプ産業はカーボンニュートラル産業を目指し、省エネや燃料転換を推進しています。2030年度には2013年度比で38%のCO2削減を目標とし、2050年には生産活動でのCO2排出実質ゼロを目指しています。

3.ごみではなく「資源」。世界トップレベルのリサイクル
紙の大部分はリサイクルされています
日本における古紙回収率は2025年に81.3%、利用率は66.7%に達しており、日頃使っている紙の大部分がリサイクルされています。この回収率・利用率は、世界トップレベルを誇ります。特に段ボールの回収率は95%以上、利用率は90%以上と、資源を限りなく有効活用している優秀な包材です。

リサイクルそのものが温暖化対策に
使い終わった紙(古紙)を回収してリサイクルすることで、木の繊維の中に炭素を固定し続けることができます。燃えるごみに入れてしまっていたチラシや紙袋、紙の芯なども「雑がみ」という立派な資源です。一人ひとりの分別が、温暖化対策につながっています。
